2011年4月23日24日の気仙沼

  • Img_3342_1
    気仙沼市唐桑町にの甥一家が東日本大震災で津波の被害に遭遇。お見舞いに駆け付けた時の撮影。

乱読

2020年8月14日 (金)

富士川のほとり

猿を聞く人捨子に秋の風いかに  芭蕉(『野ざらし紀行』)

『野ざらし紀行』の途中、富士川のほとりを行ったとき、3つくらいの捨て子が泣いているのを聞いた芭蕉が、詠んだ句。
猿を聞く人とは、揚子江上流の巴峡両岸に鳴く猿の声で、それに旅愁の涙を流してきた杜甫ら杜甫ら中国人の私人を指す。
     (芭蕉ハンドブック/三省堂 参考)

巴峡を富士に置きかえ、猿の声と比べて、捨子の哀れな泣き声の周りを吹く秋風と、どちらが一体悲しいのかと問う。
このとき芭蕉は、袂から食べ物を取り出して与え、そのまま通り過ぎてしまうが、これが非難の的ともなったらしい。

『野ざらし紀行』は、芭蕉の紀行文の第1作目で、貞享元年(1684)8月に江戸を立ち、伊勢、伊賀、吉野、大垣、尾張、奈良京都などを回り、翌年四月甲斐を経て江戸へ戻るまでの旅を発句を中心に綴った紀行文で「甲子(かっし)吟行」とも呼ばれる。

Fuji
5531_20200814082201

Sayounara 

2020年8月12日 (水)

ジグソー・パズル

暗闇の中で金縛りにあったのは、月曜日の深夜だった。
どうあがいても意志どおりに肉体が動かない恐怖を感じた。

この何日あとだったか、幻想的な空間の中で素晴らしい作品ができた。
私は、いっぱしの小説家。

一週間たった今日、陽の光のあたるデスクの上であの時を思い出して、書く作業にとりかかった。
所詮。見れば見っぱなしの夢・・・断片だけしか蘇ってこない。
惜しい思いをしながら、断片だけでも書きだしてみた。

書きだされた細切れの文字列、その一つ一つは意味のないバラバラの文字の塊・・・その不規則な塊から一つの文章を作成していく作業は、ちょうどジグソー・パズルの細かく切りばめられた小さな破片を、元の形に復元させていく過程に似たものがある。

Eiki_20200812073001

2020年8月11日 (火)

ショートショート

夢第二夜

こんな夢を見た。

酒の勢いで、海に向かう坂道を駆け上っていた。

最初は風の優しさを頬に受けながら、なんともリズミカルに駆けていた。

まだ、酒は全身に回っていないのだろう。

風の優しさが、くすぐったくなるような心地良さだった。

風に自分の心模様を試されているようで、照れ隠しに駆ける速度を速めてみた。

次第に心臓は小刻みに鳴り、拍動と呼吸のリズムが乱れていった。

じりじりと酔いが体全体に回り始め、血圧が上がって行くのがわかる。

汗が出てきた。

ここらで一息と足を止めたとき、「元気かい」と言う声と共に肩を叩かれた。

振り返ってみると、そこには誰もいない。

とっくに陽は沈んでいる。

弱い月の雫の下で金縛りにあった。

手探りで、とにかくその場を逃げようとするのだが、足の一歩が前に出ない。

助けを求めて叫ぶ度に「元気かい」と、闇夜の中から鈍い声がする。

恐怖の反動で、体が垂直に上へ跳ね上がった。

こうなったら、行くとこまで行け!とばかりに、そのまま夜空に駆け出した。

2回宙返り1回ひねりのムーンサルト。

「元気かい」またもや肩を叩かれた。

そうか、また奴だ。

なんだか懐かしさに涙が出てきた。

真夜中の海に写ったのは、紛れもない影を泳ぐ自分。

Nami
 

2020年8月10日 (月)

ショートショート

夢第一夜

僕は廊下の窓際に面した喫煙所で喫煙をしていた。

無意識に窓の外に目がいってしまうのが習慣である。

いつもと変わらない風景が広がっている。

何の変哲もない小さな公園。

ただ、今日は木陰のベンチで弁当を食べている一人の男が目に入った。

彼の脇に、いつも見かける薄汚い一匹のノラ猫が近寄ってきた。

物欲しそうなその目つき・・・

飢えているのだろうか。

男の脇にやって来て、すばやく弁当に飛び掛った。

前足の爪でサバの塩焼きを引っ掛けると、素早く口に加え逃げ出した。

それは一瞬のことだった。

男は自分の手にしている弁当を地面に叩きつけ激怒した。

いや、それだけでは気がすまないらしい。

下卑たうめき声を上げながら、足元に散った残骸を踏みつけた。

ああ、僕はその光景に憤りを感じた。

落ちぶれているわけでもない、みすぼらしい服装をしているわけでもない、平凡で月並みな男の癪に障ったときの行為とは、たかがあの程度のものなのだ。

ああ、僕だったら・・・

僕だったら、最初からあのノラ猫に弁当を分け与えたさ。

ただ僕に理解できるのは、ノラ猫に弁当を与えれば良い、というきれい事だけでは済まされない何かが男の中にあることだ。

つまりだね、僕の憤りと言うのは、あの男のノラ猫に対する行為じゃないんだ。

わかってくれるかい・・・

「オーイ、ノラ」

Nora_20200810171701

2020年8月 9日 (日)

エスキス

『ファンタジーの文法』(ジャンニ・ロダーリ著/窪田富男訳/筑摩書房)の中に

「ある日、ノヴァーリス(1772―1802)の『断章』の中に、次のことばを見つけた。《倫理学があるように、ファンタジー学があるならば、創作の方法が見出せるだろうに》すばらしいことばだった。」とある。

創作は「小説」や「創作法」の本をたくさん読んだからといって書けるものではない。

社会通念とか常識に抑圧されているイマジネーションを、いかに開放するかだと思う。

上記の本の中に「ひっくり返しのおとぎ話」という項があるが、

「赤ずきんはいじわるで、狼はしんせつでした・・・」

「シンデレラはあまりよい子ではありませんでした。しんぼう強いまま母をがっかりさせ、やさしいおねえさんたちから、フィアンセを取りあげてしまいました・・・」

「白雪姫は、うっそうと生いしげった暗い森の中で、7人の小人ではなく、7人の大男に出会いました。そして、かれらのわるだくみにおちいって、マスコットになってしまいました・・・」

既存の物語をひっくり返したことによって、語りが自由に発展していく。

これも創作のひとつの方法なのかもしれない。

イマジネーションを膨らましていく方法として、自由な気持ちで絵筆を動かし、そこから言葉を喚起させ独自の創作に戻っていこうと思う。

とりあえずは、つぶやいてみる。

(飛ぶ)

New_pa1moon

空を飛んだ
人間の格好のままで
鳥のように空を飛んだ

2020年8月 8日 (土)

高価なペット

長雨や日照不足の影響で常備野のニンジンが高い、ジャガイモが高い、タマネギが高い。
主婦は1円でも安いお店へ走る。

ところが、ことペットになると人々は惜しげもなく高価なペットを購入し、その後も長期にわたってペットのために出費する。

犬に関して言えば、いまや犬は番犬としての犬ではなく、家族の一員としての犬なのだ。
そこには、子供であり、兄弟姉妹であるという認識へ注ぐ愛情を感じる。

知り合いのお宅では、もともとトイプードルを飼っているうえに、一人っ子の娘さんに懇願されて、最近になってティーカッププードルを購入された。
体重が2キロもなくって、人間の手のひらに乗るサイズでびっくりするほど小さい。

価格も軽自動車が買えるほどだというから、にわかには信じがたいが、わが家の犬がトリミングしてもらうペットショップでも、一桁違うのではないかという価格がついているのでびっくりする。

ティーカッププードルは、小型の割には平均寿命が12~15年と長寿のようだが、長く一緒に生活してきたペットを失うことによって引き起こされるペットロス症候群に陥りやすい。

かって、アメリカの大富豪が自分の愛犬のクローンを作るために日本円にして約3億3千万という大金を出して、研究機関と契約を結んだニュースがあった。
生きとし生けるものには必ず死が来る。
熱烈に愛するものの死に備えて、クーロンを作るという発想は一般的でないにしろ、情としてはわかる気もする。

自然の摂理に反したこうしたことが良いことなのだろうか・・・。

1997年に誕生したクローン羊「ドリー」は、進行性の肺疾患のために2003年に安楽死させられた。
このように複製過程の生物学的な不安定さが予期せぬ疾患を招く元となる。

ドリーは6歳7カ月の寿命でしかなかった。
通常の羊の11~12年という寿命に比べ、半分の寿命でしかない。

061

2020年8月 7日 (金)

セミの鳴き声

夏の日の昼下がり、午後4時。

新聞配達のバイクが、ポストに夕刊を乱暴に投げ入れていく。
待ちかまえたように、私は新聞を取りだしに出る。

庭の銀杏の木では、アブラゼミが今が最盛期と言わんばかりに「ジー、ジリジリジリ」と大合唱をしている。
私がポストから新聞を取り出すと、決まって鳴きやんでしまうから、不思議この上もない。

庭の銀杏の木は、樹齢100年位。
数年前までは、ギンナンがそれはそれは見事に生ったものだ。

落ちたギンナンを処理するのが大変なうえに、熟したギンナンが歩道に落ちると、歩道を通る自転車に踏みつぶされ異臭を放ち、そのあと片付けが大変である。

落ち葉にも手を焼いていたので、短く切ってもらった。
その後はギンナンも生らないし、落ち葉も少ない。

今年セミの鳴き声を最初に聞いたのは、梅雨に入る前だった。
朝から蒸した日のコーヒータイムに「チィチィ」 と、かすかにニイニイゼミの産声を 聞いた。

それから数日して、梅雨が明けた次の日の早朝4時半には、ニイニイゼミの合唱が始まったのを聞いた記憶がある。

「チーチーチーチ……」と、さしずめこれは、真夏の日の序曲だったのだろうか……5分くらいで終わった。

次の日からは、線の細い艶のある合唱が次第に長くなり「チーチーチーチ……」のあとに「ジージー」という低音までもだすようになった。

「チーチーチーチ……」「ジージー」が交互に繰り返され、見事な演奏会を続けていた。

8月に入ってからは、ニイニイゼミの合唱も、アブラゼミのちょっと震え気味の大声に圧倒されてしまった。とりわけ、午後3時過ぎからの銀杏の木は、アブラゼミだけのオンステージ。

彼らの賑やかな合唱が終わり、日が西の空に沈み涼しくなると、今度はヒグラシが、胸にじんとくるようなセデナーデを奏でる。

Ginnnann-7117_2

Ginnan_20200807084101

2020年8月 5日 (水)

ショートショート

                      病む男

 

 何をそんなに考えていらっしゃるんでしょう。

 人間は決して考えてはなりません。考えると年をとるばかりです。

 ……人間は一つのことに執着してはなりません。

 そんなことをすると、気ちがいになります。

 われわれは色々なことを雑然と頭の中に持っていなければなりません。

          (ゲーテ「イタリア紀行」から)

 

                       *

 
白髪が不揃いに覗いている坊主頭、やつれた顔に目だけが異様に険しい。粗末な灰色の衣服に足は裸足だ。

並みの体格の男が一人、背中に絶望を背負って階段を上って行く。

朽ち腐れた階段の一番上まで上り詰めると、突き当たりに部屋があり、まるで男を誘い入れるかのようにドアが半開きになっている。

男は、悪魔にでも憑かれたように部屋の中へ入っていく。そしてドアの向こうには、男を圧倒するようなものが待ち構えていた。

4畳半程の小さな部屋。

採光用の北側の小さな窓には、内側から鉄格子がはめられていた。そこからは、ほんのお情けに冬の午後の弱々しい光が、格子を透かして微かに差し込んでいるだけ……最初は白かったであろう壁も、今はすすけて灰色。

片隅に置かれたみすぼらしいベッドは、人一人の力では動かぬようにと、床にねじで打ち付けてある。

フローリングもすっかり汚れ、黒くざらついている。

男はベッドに横になり、鉄格子の隙間から差し込む鈍い光の一点をじっと睨みながら、隣室の音に聞き耳を立てた。

……喚き声が聞こえてくる。

床を這いずり回り、泣き叫び、見境がなくなっている様子だ。

隣人は気が狂っているのだろうか……しかし、そんな雑音も次第に小さくなっていく。

まだ、宵には早い時刻だろうに、男の視角には、先刻からの格子を透かした光はなくなっていく。

少しでも音が聞こえるうちは良かったのだが、やがて、すっかり音が消えうせてしまうと同時に、周囲は真っ暗で何も見えなくなってきた。

暗闇の中で、4畳半の小さかった部屋が無限の空間に感じられる。

男は、自分が囚人のような気になりだした……そう思うと、いても立ってもおられず、ありったけの力を出してベッドから飛び出そうとした。

だが、不安に呪縛された男の体は、ぶるぶると震え、歯はがちがちと鳴り出し、まるで熱病にでも罹ったようだ。

両手で髪を掻きむしり、ついには拳で頭を打ち振り出した。

どれほど時間が経ったであろうか……体がベッドの奥深くに沈んでしまうのではないかと、男は思った。

実際、何者かに圧力を加えられているようで、手も足も動かす事ができなくなってしまった。

このままだと自分の体は消えて亡くなってしまうのではないか……という怯えで、男の顔は極端なまでの不安と嫌悪に引きつった。

恐らく気も狂わんばかりであったことと思う。

男が気がついた時、ナースキャップを着けた女性二人によって手足を押さえられていた。

もう一人、白衣を着けたドクターらしき男が注射器を向けている。

男はどこかに異常があって入院をしているらしい。

お気づきだろう。ここは精神病棟の一室である。

5531_20200805134601

梅雨が明けたかと思ったら、連日の猛暑で思考停止状態にある。
おまけに、連夜エアコン付けっ放し状態にしたままで寝入り、 冷えた体が眼をつぶったまま覚醒する。
こんな二、三日を続けていたら、すっかり喉をやられた。

このショートショート「病む男」は、20年ほど昔に書いた作品である。

Eikimitene

 

2020年8月 1日 (土)

毎日の感染者数から目が離せない

毎日の感染者数から目が離せない状況だ。
今日(8/1)、東京都はコロナ感染者が472人、昨日(7/31)の463人を超えて過去最多とのいう。

愛知でも1日の集計で181人、そのうち名古屋市が109人とのこと。
私の住む刈谷市は今日だけで12人(計32人)の感染が確認されている。

7/16日の参院予算委員会(閉会中審査)で、東大先端科学技術研究センターの児玉教授が
東京のエピセンター化している」「総力で対策を打たないと、来週は大変になる。来月は目を覆うようなことになる」と声を震わせながら、訴えられていたが、それが現実となってきた。

そんななか、昨日、ぶら下がり会見に応じた安倍首相は、「高い緊張感を持って注視していきたい」「まずは徹底検査です。陽性者の早期発見、そして早期治療を進めていきます。また重症化予防は極めて重要であります」
と今頃になって言っているが、半年間、いったい何やってたの?

5月25日の新型コロナ緊急事態宣言解除に際して、首相は「日本モデルの力によって克服できた」と発言していたが、あれは何だったのか。

今に至って検査を後回しにされる人が続出のようだし、100万人あたりの日本の検査件数は、世界で159位の低さという。

「GoToトラベル」にみるように、感染拡大を促進するような政策は見直すべきだ。

野党が臨時国会召集の要求書を衆院議長に提出しているが、とにかく、臨時国会を早く開いて、「GoToキャンペーン」の修正と、コロナ対策に向けての徹底した議論をしてほしい。

Photo_20200802002201

2020年7月30日 (木)

ときどきは脳をストレッチ

昨日の問題ですが、私も、たっぷり悩まさせられました。

案の定、早とちりの私は「100分で何個のバクテリアが増えるのか」と、解釈してしまい計算していた。
まず、読解力不足というか、木を見て森を見ないタイプです。
大いに反省です。

さてさて、回答に行きます。
答えは「99分」です。
この答えに私も納得いかなかったのですが、図の解説を見て納得です。

回答のページをリンクしておくので、ご覧ください。
Keisen_20200730111001

◆もう一つ、こんな問題、というかクイズです。

5+5+5=550
上の足し算は答えがあっていない。
直線を1本だけ引いて、正しい式 にするにはどうしたらいいでしょうか。

(ヒント)直線というと、縦、横のまっすぐな線を思い込んでしまうが、斜めにひいてもいいわけです。

Tonton2

(答)

「+」の縦線上と横線の左を結ぶように斜線を1本入れてれば、545+5=550になる。

 

より以前の記事一覧

月齢

今日の天気

2020年8月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

最近のトラックバック

日々散語記事検索

無料ブログはココログ