ぶらり京都(2020年10月12日~10月13日)

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2011年4月23日24日の気仙沼

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    気仙沼市唐桑町にの甥一家が東日本大震災で津波の被害に遭遇。お見舞いに駆け付けた時の撮影。

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2020年9月 4日 (金)

私の好きな本

何度読んでも飽きのこない本がある。
『恋文』(アントニア・フレイザー編/吉原幸子訳/三笠書房)というのがそれだ。
古今東西の偉人達のラブレターを集めたものだ。
ラブレターというきわめて個人的なものに、彼らの関係に付け加えて、その後の結果が簡単に解説されており、偉人達の意外な一面を見るようで面白い。
そこに並ぶ偉人達は、キュリー、ヘンリー八世王、スタンダール、モンテスキュー、イプセン、ユーゴー、カフカ、ショパン、リスト、シューマン等々の豪華版。
科学者は、作家は、音楽家は、どんな文章を書いたのか・・・?

彼らは、論理的に、叙情的に、情熱的に思いをしたためている。
恋のエネルギーは偉大で、仕事が手につかない・・・でも、そこは偉人たちだ。
恋の悩みから、とてもいい作品が生まれている。

カフカは恋人のフェリス・バウエルと初めて出会った直後から彼女へ何千通もの手紙を送っている。
彼の優柔不断、決断力のなさは手紙にもそれが伺われる。
「もう、文通をよそうよ」と書いたその口の下から「返事が遅い」と彼女を攻め立てる。
この矛盾も、激しく燃える心の乱れを素直に表しているものだと思えば微笑ましい。

フレデリック・ショパンは、一時彼の恋人であったデルフィーネ・ポトッカへ「僕は作品と労力をむなしく浪費しました!!」と、恋のために仕事が出来ないと書いておきながら、その追伸で「追伸 昨日はとうとう何もせずに過ごし、この手紙も投函せずじまいだったので、一言付け加えます。
たった今、”プレリュード”を完成しました」とは、感動的な矛盾である。

物慣れた口調で甘美なことばかりを並び立てるのではなく、そのとき時の心のままを表現すると矛盾も然りで、カフカやショパンの率直さに頷ける。
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いまどき「ラブレター」というようなものを便箋にしたため、切手を貼ってポストに投函するような古風な人はいないだろうが、私の年代だとそれが主だった。
そこには、文面をあれやこれや熟考する緩やかな時間の流れがあった。

恋愛のスタイルも時代と共に少しずつ様相が変わってきているわけで、ダイナミックな違いは交通手段の格段の進歩がある。
会いたいと思ってもすぐには会えなかった時代と、会いたいと思えばたとえはるか遠くの人とでもすぐその日に会える今日とでは大きな違いがある。

もう一つは、通信手段の進歩によってメールや電話・携帯の変化したのが大きい。
手紙は時間がゆっくり流れていくが、メールや電話は一瞬の流れである。
つまり、手紙は文面をあれやこれや熟考する時間の流れが緩やかであるのに対して、メールなどの場合はコミュニケーションの流れが短時間であったり瞬間であって、せかされ感が否めない。

Kamisig

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