2011年4月23日24日の気仙沼

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    気仙沼市唐桑町にの甥一家が東日本大震災で津波の被害に遭遇。お見舞いに駆け付けた時の撮影。

乱読

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2020年8月10日 (月)

ショートショート

夢第一夜

僕は廊下の窓際に面した喫煙所で喫煙をしていた。

無意識に窓の外に目がいってしまうのが習慣である。

いつもと変わらない風景が広がっている。

何の変哲もない小さな公園。

ただ、今日は木陰のベンチで弁当を食べている一人の男が目に入った。

彼の脇に、いつも見かける薄汚い一匹のノラ猫が近寄ってきた。

物欲しそうなその目つき・・・

飢えているのだろうか。

男の脇にやって来て、すばやく弁当に飛び掛った。

前足の爪でサバの塩焼きを引っ掛けると、素早く口に加え逃げ出した。

それは一瞬のことだった。

男は自分の手にしている弁当を地面に叩きつけ激怒した。

いや、それだけでは気がすまないらしい。

下卑たうめき声を上げながら、足元に散った残骸を踏みつけた。

ああ、僕はその光景に憤りを感じた。

落ちぶれているわけでもない、みすぼらしい服装をしているわけでもない、平凡で月並みな男の癪に障ったときの行為とは、たかがあの程度のものなのだ。

ああ、僕だったら・・・

僕だったら、最初からあのノラ猫に弁当を分け与えたさ。

ただ僕に理解できるのは、ノラ猫に弁当を与えれば良い、というきれい事だけでは済まされない何かが男の中にあることだ。

つまりだね、僕の憤りと言うのは、あの男のノラ猫に対する行為じゃないんだ。

わかってくれるかい・・・

「オーイ、ノラ」

Nora_20200810171701

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コメント

お盆支度は、墓石の汚れ洗いと雑草の除去。
仏壇は仏具のお磨き程度のことです。
今年はコロナの影響で、三重県在住の息子家族も、息子の仕事柄「県外外出禁止」のようで墓参りに来ません。
夫婦二人でのんびりです。

...「人間は非常時の際本質が見える」と言いますが、概ねそうでしょう。ベテランの野良猫には男も散々でした。前回と今回の物語はを拝読、他愛無い私の脳の活性にはとてもいいのです。、これからも楽しみにしています。何とか盆支度も整い、今日は「棚経」尊敬している僧侶との問答が楽しみです。

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