2011年4月23日24日の気仙沼

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    気仙沼市唐桑町にの甥一家が東日本大震災で津波の被害に遭遇。お見舞いに駆け付けた時の撮影。

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2020年5月13日 (水)

山頭火五月十三日の日記

種田山頭火 其中日記 (六)の五月十三日の日記に次のようにある。
 
晴、好季節。
左股の注射のあとが痛い、起居が苦しい。
鶯笛、かなしい笛か、さびしい笛か、それを私が吹く。
樹明は酔がまださめきらないので、ふら/\してゐるけれど、講習があるとやらで、日曜日にもかゝはらず出勤、これも感心の一つたるを失はない。
予期したやうに、十時の汽車で黎々火が来てくれた、お土産は鮹壺雲丹、巻鮨(お手製だからひとしほうれしい)。
その雲丹を蛙堂老と青蓋人君とに贈つた、かういふハガキといつしよに、――
下関名産の鮹壺雲丹を送ります、名物にうまいものなしといひますが、これはなか/\うまくて、初夏の食卓に磯の香が、いや玄海の波音が聞えるかも知れません、云々。
T子さんが卵を持つて、樹明君が魚を持つて来た、四人で飲んだり食べたり、寝たり、饒舌つたり。
黎々火君が草をぬき土をうつてくれた、樹明君が苗を植ゑてくれた、これで茄子も胡瓜も十分だ。
暮れてみんな帰つていつた、まことによい一日だつた。
   改作追加
・藪かげほのと藪蘭の花かな
・いつもつながれて吠えるほかない犬です
・木の芽草の芽いそがしい旅の雨ふる
・からりと晴れて枯木なんぼでもひろへるよ朝
・もう秋風の、腹立つてゐるかまきり
   発表できない句!(或る時機がくるまでは)
・死ねる薬はふところにある日向ぼつこ(再録)


『其中日記 』(六)には、昭和9年3月21日から昭和9年7月25日までの日記が収載されている。

清内路村(せいないじむら)から飯田に入り、四月二十一日に飯田の川島病院に入院。

その後、四月二十八日に退院して其中庵に帰っている。

本来、人なっこい寂しがりやの山頭火だったが、其中庵では友人達に恵まれた安住の日々だったと言える。

この日の日記に改作追加の句として『いつもつながれて吠えるほかない犬です』の句がある。

山頭火が放浪の旅に出てから一番長く定住した場所が山口県山口市小郡「其中 (ごちゅうあん)」で、その其中庵を安住の居とし自由に旅を満喫してきた。

そんな自らの自由な境遇と対比させて、いつもつながれっぱなしの犬を憐れんでこの句を詠んだかもしれない。

山頭火は旅に生きた俳人だ。

犬はかわいそうに、吠えるしか仕事がないのだ。

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山頭火の見た犬は「いつもつながれっぱなしの犬」だが、私がテレビで観た犬は、 人間の入れ歯を加えて離さないトイプードルだ。

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