2011年4月23日24日の気仙沼

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    気仙沼市唐桑町にの甥一家が東日本大震災で津波の被害に遭遇。お見舞いに駆け付けた時の撮影。

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2019年12月24日 (火)

イブの夜にふさわしい逸話

Starred_20191224001801 イブの夜にふさわしい逸話

ツルゲーネフの『散文詩』から、イブの夜にふさわしい逸話を紹介しよう。

ロシアの作家ツルゲーネフが、ある時街を歩いていて一人の乞食に会った。
その乞食は、手を差し出して彼に恵みを乞うた。
彼は乞食にいくらかでも金を与えようとポケットを探ったが、あいにく一銭のお金も持ち合わせていなかった。
乞食は、なおも手を差し出している。
困り果てた彼は、自分の手を差し伸べて乞食の冷えきった手を堅く握り締めた。
そして言った。
「兄弟よ、私は今一銭の金も持ち合わせていない。許しておくれ」
乞食は力なく、しかし嬉しそうに笑って答えた。
「旦那、旦那が私と握手をして下さったので、何がしかの金を頂いたのよりも幸福ですよ・・・」

人間として平等な扱いを受けたことのない乞食は、その日一日は心からの幸せを感じたに違いない。
乞食が本当に待ち望んでいたのは、人間的な愛情だったのだ。
人の幸せは、決してお金の力で得られるものではない。
ツルゲーネフは乞食の手を握った瞬間に、それまで体験しなかった新しい人生を発見したに違いない。

人生に泣きたい時、街角で乞食と握手したツルゲーネフを思い出してみたい。
そこにささやかな光明が見出される気がするのだ。

Meieki

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