2011年4月23日24日の気仙沼

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    気仙沼市唐桑町にの甥一家が東日本大震災で津波の被害に遭遇。お見舞いに駆け付けた時の撮影。

乱読

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2019年11月11日 (月)

トカトントン

トカトントン、これがハンマーの音なのだから、ちょっとふざけている感もしないではないが、本文中にこの響きが何度も出て来ると妙にリズムに乗ってしまう。
太宰治は題名の名手と言われるが、さすがである。

恋をはじめてもトカトントン、政治運動や社会運動を考えながらもトカトントン、郵便局の窓口で働きながらトカトントン、伯父の相手をしながら酒を飲みながらもトカトントン。
どんなときでもトカトントンの音が聞こえてきて、何もかもに熱中できない状態になってしまう。

トカトントンという単純なリズムがこの一編のモチーフになっている。
まさに短文リズムの妙ともいうべきリズミカルな文体である。

この作品は、虚無のようなものに苦悩している男が作家に宛てた手紙書簡体小説の形をとっている。

簡単に要約すれば、玉音放送の際に聴こえた金槌が釘を叩くトカトントンの音が心に強く残り、何をする時にも不意にその音を思い出し、一つことに集中出来なくなってしまう男の物語だ。

実際、人生が上向きに進みそうな大切な時に、自分の耳もとで「トカトントン」というふざけた音がしたらシラケてしまって、思うように行かない人も多いと思う。

たとえば何かの試験の時に、ふと演歌のメロディーがくり返し頭の中で鳴り続けたら・・・
たとえばデートの最中に、これは言っちゃいけないという言葉が浮かんで離れなかったり・・・

そう、読者を奇妙に共感させてしまうのが太宰のやり口で、これは太宰自身の体験の痛切な告白で、太宰の「肉声主義」というものだ。

男の悩みに対して作家、つまりは太宰治は返事を返す。

トントンと音が聴こえるのは、男の気取った苦悩であり、本当の苦悩と戦っていない。
つまり、失敗を恐れる一種の強迫観念だと思っている。

真の思想は、叡智よりも勇気を必要とするものとして、聖書マタイ十章、二八を引用し「体は殺しても魂を殺すことができない者どもをおそれるな」と言っている。
頭の中で捏ね繰り回すだけでなく、実行してこそ、本当の思想は得られれる。

太宰治「トカトントン」は、青空文庫で1時間もあれば十分読める。

Setomono

昨日は船橋から実妹が来ていたので、市内の公共施設を巡るバス「かりまる」でハイウェイオアシスに行った。
ファームで野菜や果物、魚介類を見て回ることと、お土産コーナーで東海地方のお土産購入を目的とした妹のディクエスト。
ちょうどお昼ご飯どきだったので、「ラーメン横綱」でネギ入れ放題の豚骨ラーメンを食べた。

我が家で二晩泊まり、今日帰っていった。
この間、洋裁のできる妹が私の洋服のリフォームをしてくれた。
サイズの合わなくなったりした3着分の冬物洋服は、妹に手をかけてもらったお陰で生き返った。

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