2011年4月23日24日の気仙沼

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    気仙沼市唐桑町にの甥一家が東日本大震災で津波の被害に遭遇。お見舞いに駆け付けた時の撮影。

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2019年8月 7日 (水)

『四日間』

「おれたちは森のなかを走っていた、弾丸(たま)がシュッシュッと鳴っていた、そいつに払われて小枝がばらばら降って来た、おれたちは山櫨子(さんざし)の茂みを押しわけかきわけ突き進んだ――」
こんな出だしで始まる『四日間』は、ガルシンが従軍したブルガリア戦線を元に、現実を直視した生々しい眼差しで描かれている。

主人公「おれ」は、トルコ兵を銃剣で刺し殺した。同時に自分も銃弾にあい、身動きの取れないほどの重傷を負った。日が暮れ、一夜が明け、日が高くなる・・・このくり返し。
咽の渇きに耐えかね、死体の上にある水筒の水をめがけて横たわったままでの移動。そして四日目、味方に発見され目ざめたとき、
「『まずおめでとう、君!命はとりとめたよ。もっとも脚は一本ちょうだいしたがね、なあにそんなもの――何でもないさ。口はきけるかね?』と野戦病院の教授が言った。
日はあいかわらずじりじりと炒りつける。手といわず顔といわず、もうさっきからひりひりしている。
水の残りもすっかり飲んじまった。かわきがあんまりひどいので、ほんの一と口飲むつもりのところを、思わずがぶりと飲み干したのだ。・・・・・いつまでここにすっころがって苦しむことやら、見当さえもつかんのだ。ああお母(つか)さん、なつかしいお母さん!これがお耳に入ったら、さぞや白髪(しらが)の垂髪(おさげ)をかきむしって、頭を壁へ打ちつけて、私を産みなすった不吉な日をばのろわれるでしょう、いやいや人の子を苦しめに戦争なんぞを思いついたこの世界を、さぞやのろわれることでしょう!」
(ガルシン作 神西清訳 岩波文庫「赤い花 他四篇」『四日間』より) 

極限状態の4日間を描くガルシンの精神世界は見事だし、戦争に対する憎悪が、母の苦しみを思いやる気持ちとして現れている。

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