2011年4月23日24日の気仙沼

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    気仙沼市唐桑町にの甥一家が東日本大震災で津波の被害に遭遇。お見舞いに駆け付けた時の撮影。

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2019年5月23日 (木)

ゴッホの耳

ゴッホを語る上で話題に上るのが「耳切事件」である。
ゴッホは、南フランス・アルルの黄色い家でゴーギャンと共同生活を送ったが、制作活動の中で二人の間に亀裂が起った。
ゴーギャンから見放され独りになることを恐れたゴッホは、次第に精神を病んでいった。
遂には12月23日の夜に芸術論でゴーギャンと激論を交わし事件に至る。

私の手元に「いたずらの天才」(A・スミス著/後藤優 訳/文芸春秋社)という本がある。
初版が1963年とかなり古いが、アメリカ人の生活の一端が窺えるれきっとしたいたずらの調査研究書だ。
その中の一つ『ゴッホの耳事件』というのを紹介する。

ニューヨークの近代美術館で初めてゴッホ展が開かれたときのこと。
ヒュー・トロイという名のかなり有名な画家が、「牛肉を使って、気味の悪い、しなびた人間の耳を作り、それを青いビロード張りの小函に納めてゴッホ展の一室の片隅の小テーブルの上におき、その傍に、『ヴィンセント・ヴァン・ゴッホがみずから切りおとして彼の情婦におくった耳。1884年12月24日』と書いた説明書をつけておいた。」
観衆の目は、これに釘付けになり、壁に展示されているゴッホの絵の方など見向きもしなかったということだ。
今から見れば、こういうものが簡単に展示場の一角に持ち込まれること自体、時代錯誤もいいところだが、所詮、こういうイベントに押し寄せる大多数の観客というのは好奇心で行くのであって、真の愛好家というのは少ないものだ、と彼のいたずらが証明して見せたわけだ。
その場に居合わせたら、私だってゴッホの傑作よりも切りおとした耳の方に目が行くだろう。
ゴッホの絵が好きと言っても、・・その程度の愛好家だ。

Keitou

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