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2008年1月15日 (火)

モナリザ、新たな事実

あえかなる面差しに微かな笑みをたたえた美しい女の半身肖像は、誰もが見慣れている。言うまでもない、レオナルド・ダ・ビンチの「モナリザ」だ。
このモデルが誰なのか、さまざま説があるが、ドイツのハイデルベルク大学図書館が人物の特定に繋ぐ新たな事実を発表した。
『同図書館によると、蔵書を整理中、1477年に印刷された書物の余白にダビンチに関する手書きの記述があるのを職員が発見。フィレンツェの役人が書き付けたもので、そこにはダビンチがフィレンツェの商人の妻、リザ・デル・ジョコンド(リザ・ゲラルディーニとしても知られる)の肖像画を制作中だ、と記されていた。
 手書きの記述には「1503年10月」の日付が記されており、ダビンチのモナリザ制作時期と重なる。同図書館は「今回の発見はモナリザのモデルを特定する重要な証拠となった」としている。』
(朝日新聞)

夏目漱石「永日小品」のなかに、この名画をテーマにした作品『モナリサ』がある。古道具屋を覗くのが趣味の男が、あるときガラス額縁入りの西洋の画を買い、家に持ち帰り欄間に飾った。絵の中の半身の女性の顔を見た妻は「気味の悪い顔」「この女は何をするか分らない人相だ」と言う。案の定、欄間の上から突然落ちてガラスが壊れ、なんとも縁起の悪い画として取り扱われている。額の裏に入っていたメモには「モナリサの唇には女性(にょしょう)の謎(なぞ)がある。原始以降この謎を描き得たものはダ ヴィンチだけである。この謎を解き得たものは一人もない。」とあることから、これはモナリザの複製画だろう。
触らぬ神に祟りなしとばかりに「縁喜(えんぎ)の悪い画を、五銭で屑屋(くずや)に売り払った」という話。
人の眼はいろいろで、名画といえども予備知識を持たなければこんなものかも知れない。

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2008年1月10日 (木)

本になったポチ

Img_0067_2 私のお気に入りのブログ、島村益樹さんの『雑種犬ポチの一生』が名前も新たに『新幹線に乗ったポチ』として書籍化された。
正式な刊行日は1月15日だから、まもなく書店に並ぶ。その前に、私は著者から贈られた。ブログ上では更新の都度読んでいたが、加筆、校正され本になったものを読み返してみると、これは文句なしに犬文学のひとつになり得る作品である。
プロローグの「フェンスの向こうから」の情景は、貰い手のなかった2歳の雑種犬ポチの不安そうに訴える目だった。
その目が著者と合った瞬間に彼は島村家の一員になった。利口でハンサムで、時にはお騒がせなことをしたが、いつも家族と一緒だった。あるときは、父親の介護に帰省する奥さんに伴って、ゲージに入って新幹線に乗った。13キロのポチがゲージに入れば総量16キロにもなる。それを首から吊るしてホームを移動する奥さんの孤軍奮闘振りには思わず涙。やがて老犬になったポチは病との闘い、島村夫婦にとっては老犬介護の日々が続く・・・。

構成は、平成2年の第1話「ポチが我が家にやってきた」から、島村家の帰省先・丹波で失踪したポチを捜し求めて、再度丹波を訪れた平成16年年末の最終話「丹波の風に誘われて」までの全54話のエッセイが収録されている。
島村家におけるポチという犬の生涯が追われているというより、彼を含む家族の日々がより濃く描かれている。

ペットブームが叫ばれて久しい。ブログ上でもペットに関するコラムやエッセイが間断なく続いているくらいで、その勢いは止まるところを知らない。ストレスの多い現代社会だから、人はそれほどまでにペットに癒しを求めるわけで、今や人生のパートナーといところだ。
島村益樹さんの『雑種犬ポチの一生』が明かしたものは、聖家族的雰囲気とエッセイは人柄だという基盤の感銘だ。
ポチも幸せだったが、彼を愛した家族の幸せがにじみ出ている。
是非一読をお勧めしたい。
アマゾン他インターネットオンライン書店ではすでに注文可能になっている。

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