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2007年5月23日 (水)

一枚の絵

『文學界』5月号を読んでいるが、玄侑宗久「龍の棲む家」に続いて読んだのが佐川光晴「一枚の絵」。
これもまた、家族の病気の問題が出てくる。
さえない中年画家である男が、建築家である元彼女と10年ぶりに再会。元の関係へと再燃していくものの、男も女も結婚にまで踏み切れない。
彼女の方は、病気勝ちな家族を支え一家の柱となているし、そうした彼女への気遣いから男もまた決断できないまま、静かに淡々と日々が過ぎていく。
ヌードを描くアルバイトを引き受けた男は、一時的にその仕事に熱中するがそれもつかの間。そうこうしているうちに彼女の乳癌を知り、手術前に彼女のヌードを描いておこう、と決意するところで終わっている。

家族の問題が結婚を躊躇させる、というのも現実の世界のどこにもありそうな風景だし、男と女の意識の持ちようも淡々としていて、ちょっと退屈な気もした。
まあ、昔のようなエネルギーを張り詰める恋愛小説は古いのかもしれないが、それを越えた上での異性間意識のようなものが出ていると良いのだが・・・、と私の読後感です。

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