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2007年4月 7日 (土)

心で見なくちゃ

この4日に、「星の王子さまの原画が山梨県で発見」というすごいニュースが飛び込んできた。

サン=テグジュペリの『星の王子さま』(岩波書店刊/内藤濯 訳)のなかで、王子さまが四番目に訪れた星には実業家が住んでいた。彼は星の所有権を自分のものにするために、夜空の星を数えては紙に書き、引出しに入れてカギをかけるほどの用心さ。星を持つことこそが金持ちにつながるとの考えだ。王子さまが訪問しても、書類の整理に忙しく顔をあげない男の挿絵が私の頭をよぎる。
その原画が日本で見つかった。サン=テグジュペリの原画47点のうち、今までに見つかっているのは5点。今回の6点目が日本にあったのだ。
折りしも「サン=テグジュペリの星の王子さま展」が、松屋銀座(東京)の4/25を皮切りに全国5カ所で開催される。展覧会では、今回見つかった原画が公開されるとのことだ。  http://www.tbs.co.jp/hoshi2007/index-j.html
名古屋での開催は8月29日‐9月9日(三越名古屋栄店)。今から楽しみにしている。

今、私は『星の王子さま』のことを考えている。
サハラ砂漠の真ん中に不時着した飛行士が、不思議な男の子に出会うところから始まるこの物語。
その男の子こそ、大きなバオバブの木と火山が三つある小さな星から旅をして地球に来た星の王子さまである。
王子さまは、7番目の星の地球で何千となく咲き誇っているバラを見た。それは美しいバラたちだが、すべてを犠牲にできるほど彼を魅了するものではなかった。
無限に広がる砂漠の中でどうしようもない孤独に陥った王子さまを、遠くにある故郷の星が支配する。故郷で自分を待ちわびているバラを思い、どうしてもそこに戻りたくなった。その強い思いが意識内に投射されたとき、関係の深さに気付き、心の中にのっぴきならない存在となって迫ってくるのだ。
涙ぐむ王子さまに一匹のキツネが語りかけた。
「なに、なんでもないことだよ。心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ・・・あんたが、あのバラの花をとてもたいせつに思っているのはね、そのバラのために、ひまつぶししたからだよ・・・人間というものは、このたいせつなことを忘れているんだよ。だけど、あんたは、このことを忘れちゃいけない。めんどうをみたあいてには、いつまでも責任があるんだ。まもらなけりゃならないんだよ、バラの花との約束をね・・・」
キツネの言ったこの言葉に『星の王子さま』のテーマがあるのだと思う。たいていの場合、人間は目に見えるものしか信じたがらないが、大切なものは心でしか見えないということ。つまり、自分にとって本当に必要なものというのは目に見えるものではなく、お互い同士の繋がりにあるのだ。

自分の星にあるバラだけが、自分自身が水をまき、風ををよけてやり、青虫を取り除いてやったものだから、何ものにも変えがたい。世界に一つだけのバラなのだ。そのことに気付いた王子さまは、重すぎる肉体を地上において、魂となって小さな星に帰っていった。

7つの星で起こった出来事を通して、本質的なものを学んで行く。サン=テグジュペリは、そのことを王子さまになぞらえて書いているのだ、と私は思う。

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