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2007年4月10日 (火)

春陽気の威嚇

風もなく暖かい春陽気な日、飼い犬のコロをつれて狂犬病の予防接種へ。集合注射場所は近いものの、限られた時間に一度に犬たちが集まるから、周辺は犬の鳴き声が響き渡った。
普段は他の犬に対してほとんど吠えることをしないコロも、さすがに今日は威嚇するように吠えていた。これも警戒心から来る防衛本能の現われだろう。

画像は、今日のコロと近所の桜。
Korosiba

Sakura_1 

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2007年4月 7日 (土)

心で見なくちゃ

この4日に、「星の王子さまの原画が山梨県で発見」というすごいニュースが飛び込んできた。

サン=テグジュペリの『星の王子さま』(岩波書店刊/内藤濯 訳)のなかで、王子さまが四番目に訪れた星には実業家が住んでいた。彼は星の所有権を自分のものにするために、夜空の星を数えては紙に書き、引出しに入れてカギをかけるほどの用心さ。星を持つことこそが金持ちにつながるとの考えだ。王子さまが訪問しても、書類の整理に忙しく顔をあげない男の挿絵が私の頭をよぎる。
その原画が日本で見つかった。サン=テグジュペリの原画47点のうち、今までに見つかっているのは5点。今回の6点目が日本にあったのだ。
折りしも「サン=テグジュペリの星の王子さま展」が、松屋銀座(東京)の4/25を皮切りに全国5カ所で開催される。展覧会では、今回見つかった原画が公開されるとのことだ。  http://www.tbs.co.jp/hoshi2007/index-j.html
名古屋での開催は8月29日‐9月9日(三越名古屋栄店)。今から楽しみにしている。

今、私は『星の王子さま』のことを考えている。
サハラ砂漠の真ん中に不時着した飛行士が、不思議な男の子に出会うところから始まるこの物語。
その男の子こそ、大きなバオバブの木と火山が三つある小さな星から旅をして地球に来た星の王子さまである。
王子さまは、7番目の星の地球で何千となく咲き誇っているバラを見た。それは美しいバラたちだが、すべてを犠牲にできるほど彼を魅了するものではなかった。
無限に広がる砂漠の中でどうしようもない孤独に陥った王子さまを、遠くにある故郷の星が支配する。故郷で自分を待ちわびているバラを思い、どうしてもそこに戻りたくなった。その強い思いが意識内に投射されたとき、関係の深さに気付き、心の中にのっぴきならない存在となって迫ってくるのだ。
涙ぐむ王子さまに一匹のキツネが語りかけた。
「なに、なんでもないことだよ。心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ・・・あんたが、あのバラの花をとてもたいせつに思っているのはね、そのバラのために、ひまつぶししたからだよ・・・人間というものは、このたいせつなことを忘れているんだよ。だけど、あんたは、このことを忘れちゃいけない。めんどうをみたあいてには、いつまでも責任があるんだ。まもらなけりゃならないんだよ、バラの花との約束をね・・・」
キツネの言ったこの言葉に『星の王子さま』のテーマがあるのだと思う。たいていの場合、人間は目に見えるものしか信じたがらないが、大切なものは心でしか見えないということ。つまり、自分にとって本当に必要なものというのは目に見えるものではなく、お互い同士の繋がりにあるのだ。

自分の星にあるバラだけが、自分自身が水をまき、風ををよけてやり、青虫を取り除いてやったものだから、何ものにも変えがたい。世界に一つだけのバラなのだ。そのことに気付いた王子さまは、重すぎる肉体を地上において、魂となって小さな星に帰っていった。

7つの星で起こった出来事を通して、本質的なものを学んで行く。サン=テグジュペリは、そのことを王子さまになぞらえて書いているのだ、と私は思う。

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2007年4月 1日 (日)

説明のない想像の世界

松坂屋美術館で催されている「安野光雅の世界」展に行ってきた。
会場を入ってすぐ目に付くのが、安野さんの絵本「ふしぎなえ」に出てくる不思議な絵の原画たち。一見なんでもない童画のようだが、目を凝らして見れば、そこは不思議な世界が広がっている。
上ったはずの階段は行き止まり、ありえないところに歩道橋がついている。本のプールには人が飛び込んでいる。迷路に入ると、いつの間にやら逆さまになっいる。天井の高い部屋では、左右の壁の至るところにドアがあって、あら不思議!と思うままに上下左右にひっくり返えせば、まともな絵なのだ。高架らしく見える道路が、実は地面と同じ高さだったり・・・等々。なんとも不思議な絵の世界。

安野さんは、オランダの画家であり版画家であるエッシャーの不思議な絵に興味を持ったという。
そう言えば、「もりのえほん」には、樹々の間に隙間なく森の獣たちが隠されていて、エッシャーのだまし絵的要素がある。
福音館書店から絵本を書くことを勧められた安野さんは、絵につける言葉が浮ばないから躊躇したとか・・・。そりゃそうだ、確かに部分を見ればまともだけれど、全体を見ると理屈にはあっていないのだから。
安野さんの不思議な絵がどんな意味を持つか。そんなのは、どうでもいい話。説明がなくっても、絵のなかに想像の世界があるから、見る者がそれぞれ自由に説明付ければ良いのだ、と私は思う。

「安野光雅の世界」展
松坂屋美術館(松坂屋本店・南館7階)
4月10日まで

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