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2007年3月 8日 (木)

遅まきファン

松坂屋名古屋本店、本館7階大催事場での『田辺聖子の世界展』(2月28日~3月5日)、すでに終ったが、 会期終了の前日に行ってきた。ちょうどサイン会の時間帯でもあったので、会場は身動き出きないほどに人でごった返していた。中年の女性たちの黄色い声や拍手で出てきたのが、小柄な粋の良いおばあちゃん、いや、童女のようなと表現した方が良い。それが田辺聖子だった。ファンの多いのには驚いた。これもNHKテレビ小説「芋たこなんきん」の影響か。

以前、名古屋の朝日カルチャーセンター小説教室に通っていたとき、講師の先生に「田辺聖子を模倣せよ」と言われ、彼女の本を数冊読んでみた。
ところが、関西弁の喋り捲りの家族ものというのが、どうも馴染めなかったのを記憶している。斜め読みだったのだろう。すでにタイトルも忘れているのだから。
今回展示された田辺ワールドを見て、自分の見識の狭さに改めて考え直させられた。
エネルギーの要る評伝や古典翻訳が彼女のライフワークとなっているようだ。それについて、私は全く知らなかった。1、2冊の小説の、それも上っ面だけをみて判断基準にしていたのが、今更ながら恥ずかしい。

Tanabe 混雑した会場では、ゆっくりメモも取れなかったので目録を買ってきた。彼女のアフォリズムが面白い。例えばこうだ。

トシなんか、個人的に伸び縮みするもんやさかい、自分の思うトシをてんでに申告しといたらよい。『週末の鬱金香(チューリップ)』

イモに交わればイモになる。『人生の甘美なしたたり』

六十を過ぎたら、自分が神様じゃ。『人生の甘美なしたたり』

この日本にはヤングと老人ばかりのようだ。オトナはどこへいってるのだろう?『人生の甘美なしたたり』

人間が人間のプロになれる頃には、八十にはなっているだろう。『人生はだましだまし』

ちょっと苦笑いしたくなる箴言だが、心に響く言葉だ。
遅まきながらファンになってしまった。

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コメント

>益樹さん
ファンの人にサインを頼まれると
「気張らんと まあ ぼちぼちに いきまひょか」
という言葉を好んで書いておられたようです。
きっと、本音で生きておられるんでしょうね。

「カモカのおっちゃん」といわれるご主人との36年間の生活は、夫婦で毎晩呑んで、話し、飽くことなく続いたということです。
普通、10年もすれば話すこともありませんよね(?)
目録に、「兄弟鼎談」(妹、弟の3人きょうだい)が載っていたのですが、それを読むと、大家族の中で屈託なく育ったようで、3人が3人とも立派な地位にあるのに、今でも飾り気ない会話。
このあたりもエネルギーになっているのでしょうか。

>ゆーきさん
どれもこれも、言い得て妙ですよね。
私なんか、お酒が入ると口数が多くなるけど
単なるおしゃべりお姉さん(笑)
やっぱり、作家は違いますね。
それだけ、人間とか人生への鋭い省察があるんですね。
で、こんなのもあった。
「おっさんとおばはんになり生きやすし。」『人生はだましだまし』
↑これ、最近実感しています。

もうひとつ
「かしこい人ほどアホなことをいうものです。アホほどかしこそうにいう。」『風をください』

私も、かっこいいアフォリズムを放ってみたい!

投稿: hituji | 2007年3月10日 (土) 01時12分

この方は、格好つけずに、本音でずっと生きてきた人なんでしょうね。
この方の性格、この方の家族、この方の周りの人達、そして住んでおられる大阪の街の人情とが全てマッチして、田辺聖子ワールドを作り出しているような気がします。本音で喋って気持ちをぶつけ合う、ちょっと気取ったところのある関東の人の中には、少し苦手な方もおられるでしょうね。

投稿: 益樹 | 2007年3月10日 (土) 00時23分

へええ!
結構面白い事言ってるんですねぇ。
私もその人の名前は知っているけど、本を読んだ事はないですわ。
関西弁の人って…いや、人によるだろうけど、ちょっと苦手だったりもして。
エネルギーについていけない…というか。
でも、面白い人は面白いですね!

いいなぁ。
60過ぎたら、みんな神様なんだぁ。
じゃあ、60過ぎるまで、自称30歳にしとこ。
(いいとこ取り!)

投稿: ゆーき | 2007年3月 9日 (金) 22時16分

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