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2006年11月22日 (水)

映像美に耐える

今年の文化勲章の受章者瀬戸内寂聴さんが、野間宏文芸賞を受賞したときの作品『場 所』に次のようにある。

眉山は徳島の町のほとんどの場所から望めた。眉のようなならだかでやさしい稜線は、遠くから見ても近くから眺めても人の心を和ませた。

眉山の名の由来は、『万葉集』の「眉のごと雲居に見ゆる阿波の山 かけて漕ぐ舟とまり知らずも」(船王)から生じたものらしい。
その眉山の麓、急斜面にある擁壁に迷い込んだ野良犬が、レスキュー隊によって無事助けられたニュースには、ほっとした人も多いだろう。
野良一匹でも命あるもの。何とか助かって欲しいと願う地元の人たちの心は、万葉の昔から今に至るまで人々の心を癒し続けた眉山に、さらなる伝説を作り上げた。

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先日の旅で北野異人館街にある北野町東公園に立ち寄ったときに、耳を怪我した猫を見かけた。
猫同士の喧嘩で負った傷なのか、あるいは病気なのか。
野良には違いないが、人間には慣れているようで、近寄ってカメラを向けても動じることがない。異常な目やにで開かない目から涙を流しながら、前足でぬぐう仕草を延々と続けていた。
周りを見渡せば、あちらにもこちらにも猫たちが・・・。どうやら、彼らは、ここをテリトリーにしているらしい。
ベンチで弁当を食べているホームレスの足元で餌をもらっている猫。
悠々自適に公園内を歩き回っている猫。
樹木の根元で怖気づいている猫。
野良にも階級があるらしい。

野良犬や野良猫の問題を抱えている地域も多い。
飼い主に捨てられたものばかりでなく、繁殖で増えてもいるのだろう。
犬や猫に責任はないものの、人間だって野良によって生活を侵害されるのは堪ったものではない。
北野の人たちは、大変な迷惑をこうむっているのではないだろうか。

道端でふるえている犬や猫を見かけたら、手を差し出してやりたいのが人情というものだが、一時の感情だけですむ問題ではないから難しい。
眉山で助け出された犬は、保健所で適切な手当てをされた後に里親に出されるとのこと。

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